弁護士 木村康之のブログ

世田谷区・経堂の弁護士です。身近な法律問題についての情報を発信していきます。

新型コロナウイルスワクチン予防接種と後見人の同意権

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尾辻かな子衆議院議員のブログに掲載されている厚生労働委員会議事録(4~5頁)によると,予防接種と後見人の同意権の関係については,

予防接種法上の定期接種:同意権あり(予防接種実施規則第5条の2)
・同法上の臨時接種:同意権あり(予防接種実施規則第5条の2)
・その他の任意接種:同意権なし

と整理されているんですね。

で,新型コロナウイルスの予防接種については,予防接種法附則第7条2項により,予防接種法第6条1項の臨時接種とみなされているので,予防接種実施規則第5条の2により,保護者である後見人が同意することができる,と考えられているようです。

上記の取扱いの妥当性については別途検討したいと思いますが,それはさておき,この件も含め,尾辻議員の質疑は,現場目線に立ったものが多くて素晴らしいな,と思っています。

予防接種法附則】
新型コロナウイルス感染症に係る予防接種に関する特例)
第7条 厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。以下同じ。)のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者、その期日又は期間及び使用するワクチン(その有効性及び安全性に関する情報その他の情報に鑑み、厚生労働省令で定めるものに限る。)を指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができる。この場合において、都道府県知事は、当該都道府県の区域内で円滑に当該予防接種が行われるよう、当該市町村長に対し、必要な協力をするものとする。
 前項の規定による予防接種は、第六条第一項の規定による予防接種とみなして、この法律(第二十六条及び第二十七条を除く。)の規定を適用する。この場合において、第十三条第四項中「含む。)」とあるのは「含む。)又は同法第十九条の二第一項の承認を受けているもの(当該承認を受けようとするものを含む。)が同条第三項の規定により選任したもの」と、第十六条第一項中「A類疾病に係る定期の予防接種等又はB類疾病」とあるのは「新型コロナウイルス感染症(病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であるものに限る。)」と、第二十五条第一項中「市町村(第六条第一項の規定による予防接種については、都道府県又は市町村)」とあるのは「市町村」とする。

【予防接種実施規則】
(説明と同意の取得)
第5条の2 予防接種を行うに当たっては、あらかじめ被接種者又はその保護者に対して、予防接種の有効性及び安全性並びに副反応について当該者の理解を得るよう、適切な説明を行い、文書により同意を得なければならない。