弁護士 木村康之のブログ

世田谷区・経堂の弁護士です。身近な法律問題についての情報を発信していきます。

厚生年金、「士業」の個人事業所も対象に:日本経済新聞

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厚生年金保険法

(適用事業所)
第六条 次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」という。)又は船舶を適用事業所とする。
一 次に掲げる事業の事業所又は事務所であつて、常時五人以上の従業員を使用するもの
イ 物の製造、加工、選別、包装、修理又は解体の事業
ロ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業
ハ 鉱物の採掘又は採取の事業
ニ 電気又は動力の発生、伝導又は供給の事業
ホ 貨物又は旅客の運送の事業
ヘ 貨物積みおろしの事業
ト 焼却、清掃又はと殺の事業
チ 物の販売又は配給の事業
リ 金融又は保険の事業
ヌ 物の保管又は賃貸の事業
ル 媒介周旋の事業
ヲ 集金、案内又は広告の事業
ワ 教育、研究又は調査の事業
カ 疾病の治療、助産その他医療の事業
ヨ 通信又は報道の事業
タ 社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める社会福祉事業及び更生保護事業法(平成七年法律第八十六号)に定める更生保護事業
二 前号に掲げるもののほか、国、地方公共団体又は法人の事業所又は事務所であつて、常時従業員を使用するもの
三 船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条に規定する船員(以下単に「船員」という。)として船舶所有者(船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第三条に規定する場合にあつては、同条の規定により船舶所有者とされる者。以下単に「船舶所有者」という。)に使用される者が乗り組む船舶(第五十九条の二を除き、以下単に「船舶」という。)
2 前項第三号に規定する船舶の船舶所有者は、適用事業所の事業主とみなす。
3 第一項の事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。
4 前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(第十二条に規定する者を除く。)の二分の一以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

厚生年金保険の適用事業所となる「業種」

 厚生年金保険の適用事業所となるのは,厚年法第6条第1項第1号に定められた事業の事業所または事務所ですが,上記のとおり,ここにはいわゆる「士業」の事業は定められていませんでした。
ここに「士業」の事業を加えようという改正のようですね。
(なお,法人については,業種にかかわらず,常時従業員を1人でも使用している限り厚年法第6条第1項第2号により適用事業所となります。)

厚生年金の適用事業所となる「規模」

ただ,適用事業所は,上記の業種に該当する事業所または事務所で「常時五人以上の従業員を使用するもの」(厚年法第6条第1項第1号)ですから,今回の改正によって,士業の個人事務所がすべて適用事業所となるものではないと思います(士業の事務所については,1人でも従業員を雇用していれば適用事業所とするといった改正がされれば別ですが。)。