年金の支給を受ける権利(支分権)の消滅時効の起算点についての最高裁判決
以前記事を書いた,年金の支給を受ける権利(支分権)の消滅時効の起算点について,平成29年10月17日に最高裁の判決が出ました。
最高裁の判断は…
私見では,(裁定前の)支分権についての「権利を行使することができる時」は,停止条件付債権の場合と同様に,条件成就の時(=社会保険庁長官による裁定時)であり,裁定までは消滅時効期間は進行しないと考えていましたが,今回,最高裁は「障害年金に係る裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行する」として,裁定の前であっても消滅時効期間は進行すると判断しました。
個人的には,この最高裁の判断には疑問が残りますが,判決内容についての詳細な検討は,追ってブログ等で記事にしようと思います。
最三判平成29年10月17日
厚生年金保険法(昭和60年法律第34号による改正前のもの)47条に基づく障害年金の支給を受ける権利の消滅時効は,当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても,厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行する。
(判決全文はこちら)