「消えた年金」問題
給与明細上,厚生年金保険料が源泉徴収されていることが持つ意味
給与明細上,厚生年金保険料が源泉徴収されていたということは,被保険者自身は保険料を負担していたことになります。
このような場合に保険料徴収権が時効消滅したということは,被保険者から保険料を徴収した事業主が厚生労働大臣への届出を怠り,被保険者から徴収した保険料を保険者に納付しなかった,ということになりますが,このような場合にまで,時効消滅した保険料に係る被保険者期間分の保険給付が行われないとすれば,それは極めて不合理です。
「消えた年金」問題の社会問題化
このように,年金保険料を負担した記録がありながら,社会保険庁の年金記録に反映されていないという事態が多数生じ,いわゆる「消えた年金」問題として社会問題化しました。
厚生年金特例法の制定
この「消えた年金」問題への対策として,「厚生年金保険の保険給付及び保険料の納付の特例等に関する法律」(=厚生年金特例法)が制定され,平成19年12月19日から施行されています。
厚生年金特例法の内容
この厚生年金特例法は,厚生年金保険料が源泉徴収されていた場合などには,事業主による届出や被保険者による確認請求の前に時効消滅した保険料に係る被保険者期間についても,将来の年金額に反映させることとし,そのための手続を定めています。
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