今回の判決は、今ある法律の枠内で判断する司法府の役割に忠実に、来たるべき具体的制度の選択肢を直接的には示さなかった。ただ、その選択を立法府に白紙委任しているわけでもない。婚姻と同様、身分行為として保障すべきこと、異性カップルと同性カップルが与えられるべき法的利益は等しいこと、区別して取り扱うためには「真にやむを得ない」理由が必要であることなど、立法裁量にも一定の制限があることを示している。判決の趣旨を考えれば、一時的にせよ、別の制度を設けることに正当性を認めることは、かなり困難と言わざるを得ない。
私も、この記事とほとんど同じ意見で、今回の判決(札幌地判令和3年3月17日)の判示を前提にすると、婚姻とは別の制度が合憲と判断される余地はかなり少ないのではないかと考えています。
判決の理路(同性間の婚姻及び家族に関する事項ついて、憲法24条及び13条の解釈を根拠に立法府の広い裁量を認めつつ、憲法14条によってその立法裁量を大きく制限する)については、時間ができたときにまた詳しく書きたいと思います(こうして書きたいトピックがどんどん溜まっていくわけですが、果たして書けるのでしょうか…。)。