『年収70万円以下? 客の金に手を出す貧乏弁護士の懐事情』(PRESIDENT 2012年12月3日号)
こちらの記事の中で,弁護士の現状について様々なことが書かれていますが,そのうちのいくつかについて,若手弁護士の目線からコメントしてみたいと思います。
「アパ弁」,「ケータイ弁」?
個々の弁護士も、事務所に居候する“イソ弁”どころか、籍だけ置く“ノキ弁(軒先)”、寄り合いでアパートを借りる“アパ弁”、ケータイ1つで徘徊するケータイ弁等々、最難関資格の名が泣くような呼び名が拡散している。
ノキ弁はもう一般的な形態といってもいいのではないでしょうか。
ただ,アパ弁,ケータイ弁はいままで出会ったことがありません…。
年間所得70万円以下?
国税庁の統計によれば、2009年の東京を拠点とする弁護士1万5894人のうち、 年間所得70万円以下が実にその3割に当たる4610人もいるのだ。
所得ベースで話をすることがないのですが,年間所得70万円以下という方は,私がこれまで出会った方の中にはおそらくいらっしゃらないと思います。
国選弁護も取り合い?
割に合わないと敬遠されてきた国選も、今は「朝9時に弁護士会館で公開され、そこに弁護士が殺到して奪い合う状態」(都内の中堅弁護士)という。
私が所属している東京弁護士会についてですが,これは本当です。
大体,その日の事件数の1.5倍~2倍くらいの弁護士が集まってくじ引きをしていることが多いです。
事件10件に弁護士15人が集まる,というようなイメージです。
広告による集客は可能?
弁護士業界では、車内広告やCMを出すにはまだまだ抵抗がある。 ネット広告で取れる客は、「多重債務、離婚相談、交通事故の3つだけ」(同)。
そんなことはないと思いますが…。
単に,広告費と効果のバランスの問題ではないでしょうか。
弁護士会の法律相談の状況は?
口コミやリピーター以外の客をつかむ場といえば、弁護士が主催する一般人相手の「法律相談」だが、今は客足が激減している。 「弁護士会のすぐ近くで、法テラス(日本司法支援センター)が無料で法律相談をやっている。そりゃ、タダのほうに流れますよね」(若手)
弁護士会の法律相談は,割り当てられた相談担当日のうち,2回に1回はキャンセルになる,というくらいのイメージでしょうか。
ただ,最近は法テラスの相談も減ってきているという話をチラホラ聞きます。
なお,以上はすべて2013年6月時点の状況を前提にしたコメントです。