記事中には,
預金引き出しには原則として本人の意思確認が必要だが、医療費の支払いなど預金者本人の利益になることが明らかな場合は、柔軟に引き出しに応じるよう全国の銀行に促す。
とありますが,全銀協が公表した「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方について」,特に,注の
本考え方は、会員各行の参考となるよう取りまとめたものであり、会員各行に一律の対応を求めるものではなく、個別の状況等により、本考え方と異なる対応が取られるケースもあり得ることに留意いただきたい。
を読む限り,『親族などが預金を引き出すことを条件付きで認める』とか,『引き出しに応じるよう全国の銀行に促す』とかいったような強いメッセージではないのではないかと思います。
また,記事中では,成年後見制度について,
費用が掛かることや、第三者に家族の財産管理を委ねることへの抵抗感などから、利用が進んでいない。
とされていますが,親族が後見人になればこれらの問題はある程度クリアできるわけなので,原則どおり,親族に後見制度の利用を促し,後見開始審判前に預貯金からの出金が必要な場合には,審判前の保全処分により対応すべきでしょう。