弁護士 木村康之のブログ

世田谷区・経堂の弁護士です。身近な法律問題についての情報を発信していきます。

自筆証書遺言の方式緩和(パソコンで作成された遺言書の効力・その3)

遺言書をパソコンで作成することは認められていなかった

以前の記事でも書きましたが,自分で遺言書を作成する「自筆証書遺言」については,遺言者が,遺言書の全文,日付及び氏名を自分で書かなければならないとされており,パソコン等を使って遺言書を作成することは認められていませんでした。

2019年1月13日施行の相続法改正

しかし,相続法の改正により,2019年1月13日からは,以下のとおり,自筆証書遺言の方式が緩和されました。

財産目録については,手書きが不要になった

今回の法改正では,遺言書に財産目録(相続財産の全部または一部の目録)を添付する場合,その財産目録については自分で書くがなくなりました。

ですので,財産目録として,パソコンで作成した目録を添付したり,通帳のコピーを添付したりすることが可能になります。

各ページに署名・押印が必要

ただし,添付する目録については,各ページに遺言者が署名・押印をしなければならないとされていますので,注意が必要です。

遺言書の本体については…

なお,以上の取扱いは添付の財産目録についてのみ認められるものですので,遺言書本体については,これまでと同様に,遺言者が,遺言書の全文,日付及び氏名を自分で書き,押印する必要があります。