弁護士 木村康之のブログ

世田谷区・経堂の弁護士です。身近な法律問題についての情報を発信していきます。

免許停止処分の30日軽減と60日軽減(運転免許取消・免許停止処分の軽減・その4)

30日の軽減か,60日の軽減か

もっとも,「処分量定基準」からは,どのような場合に30日の軽減を選択して,どのような場合に60日の軽減を選択すべきなのかが明らかではありません。

「運転免許の効力の停止等の処分量定の特例及び軽減の基準について」

30日の軽減と60日の軽減のどちらを選択すべきかは,「運転免許の効力の停止等の処分量定の特例及び軽減の基準について」の「第2 処分の軽減等の基準」の「1 停止等の処分の軽減の基準」に,次のとおり規定されています。

『処分基準に該当することとなった者において次の各号に掲げる事情があり、かつ、処分を軽減することがその者の運転者としての危険性の改善に効果があると認められるときは、30日間の処分を軽減することができるものとする。
なお、前歴のない者が次に掲げる2以上の事由に該当し、かつ、その他にもその者の運転者としての危険性がより低いと評価すべき特段の事情があって、処分を軽減することが明らかにその者の危険性の改善に効果があると認められる場合に限って60日間の処分軽減をすることができるものとする。
(1) 交通事故の被害の程度又は不注意の程度のいずれか一方が軽微であり、かつ、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
(2) 違反行為等の動機が、災害、急患往診、傷病人搬送その他やむを得ない事情によるものであり、かつ、危険性がより低いと認める場合
(3) 違反行為等が他からの強制によるものであるなどやむを得ない事情によるものであり、危険性がより低いと認める場合
(4) 被害者の年齢、健康状態等に特別な事情があるとき等同一原因の他の事故に比べて被害結果を重大ならしめる他の事由が介在した場合であって、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
(5) 被害者が被処分者の家族又は親族であって、その他にも危険性がより低いと評価すべき事情がある場合
(6) 前各号に掲げる場合のほか、危険性がより低いと評価すべき特段の事情があり、明らかに改善の可能性が期待できる場合』

「運転免許の効力の停止等の処分量定の特例及び軽減の基準について」によると… 

この規定によると,

  • 上記(1)~(6)のいずれかに該当し,かつ,処分を軽減することがその者の運転者としての危険性の改善に効果があると認められるとき→30日の軽減
  • 行政処分の前歴がなく,上記(1)~(6)のうち2つ以上に該当し,かつ,処分を軽減することが明らかにその者の危険性の改善に効果があると認められる場合→60日の軽減

ということになります。

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